確定拠出年金(401k/企業型DC)のiDeCo移管ガイド | ワーホリ退職時の放置リスクと正解

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「会社を辞めてワーホリに行くけど、会社で入ってた401k(企業型DC)ってどうなるの?」
「確定拠出年金の手続きが必要らしいけど、面倒だし、しばらく放置しても大丈夫?」

その放置、絶対にダメです!

30歳会社員のあなたが大切に育ててきた確定拠出年金(401k)が、手数料だけ引かれ続け、運用もされず、塩漬けにされる最悪の未来が待っています。

Kea(ケア)

はじめまして!当ブログを運営するKea(ケア)です。
私自身、30歳で会社を退職するにあたり、システムエンジニアとしてこの「401k問題」を徹底的に調べ上げました!

この記事では、ワーホリ退職者が陥る401k放置の罠と、それを回避する唯一の正解iDeCoへの移管(いかん)、そしてワーホリならではの非居住者の落とし穴まで、SEの私が論理的な「攻略ログ」として徹底解説します。

この記事でわかること
  • 確定拠出年金(401k)を退職後に放置すると起きる最悪の事態(自動移換)とは
  • なぜiDeCoへの移管が唯一の正解なのか
  • 【超重要】ワーホリ(非居住者)ならではのiDeCo移管の注意点
  • SEが実践する401k→iDeCo完璧な時系列ToDoリスト
目次

退職後6ヶ月の放置で発動する自動移換の罠とは

まず、あなたが会社を退職(社会保険の資格を喪失)すると、その確定拠出年金(401k/企業型DC)はどうなるのでしょうか?

答えは、

退職から6ヶ月以内に、iDeCo(個人型確定拠出年金)に自分で移管しなければならない

です。

もし、あなたが「ワーホリ準備で忙しいから」と、この手続きを6ヶ月間放置すると…

あなたの資産は国民年金基金連合会に強制的に移され、自動移換(じどういかん)という最悪の状態になります。

自動移管されると何が起こるかというと、

  • 運用が完全停止する
    あなたの資産は現金化され、一切の投資運用がストップします。(得られるはずの運用益(年利3-7%)をすべて失います)
  • 手数料だけが毎月引かれ続ける
    運用もされないのに、管理手数料(数千円)だけは容赦なく引かれ続け、あなたの資産は一方的に目減りします。
  • 年金受給の加入期間にカウントされない
    将来の年金受給額にも悪影響が出ます。

これが、30歳会社員が退職時に絶対にやってはいけない401k放置の正体です。

【唯一の正解】iDeCo(イデコ)の口座を作って資産を自分で移管する

この最悪の事態を避ける唯一の方法が、会社の401k(企業型)から、個人のiDeCo(個人型)へ、あなたの年金資産をお引っ越し(移管)させることです。

iDeCo口座(SBI証券や楽天証券など、好きな金融機関を選べます)に資産を移せば、その後も運用が継続され、手数料で目減りすることもありません。

Kea(ケア)

私の所属していた企業でも確定拠出年金

【最重要】ワーホリ(海外転出)ならではの致命的な罠

「なるほど、じゃあ退職して、渡航準備しながらiDeCoの口座開設すればいいんだな」

待ってください。そこにワーホリならではの「罠」があります。

以下の記事で解説した通り、ワーホリに行く私たちは海外転出届を出して非居住者になります。

そして、iDeCo(およびNISA)のルールは、

原則として非居住者は、iDeCoに新規加入できない。

これが何を意味するか、論理的に紐解いていきましょう。

【最悪のシナリオ】手続きの順番ミス

  1. あなたが退職する。(11月末)
  2. ワーホリ準備のため、役所で海外転出届を提出する。(12月1日)
    この瞬間にあなたは非居住者になります。
  3. その後、「あ、確定拠出年金(401k)の手続きしなきゃ」と証券会社にiDeCoの「新規加入」を申し込む。(12月5日)
  4. 証券会社からお客様は非居住者のため、iDeCoに新規加入できませんと拒否されます。
  5. あなたは401kの移管先(iDeCo)を失い、6ヶ月後に自動移換(資産塩漬け)が確定します。
Kea(ケア)

この「詰み」パターンを回避する方法は1つしかありません!
次の章でしっかりと解説していきます。

ワーホリ退職者のための401k→iDeCo移管ロードマップ

手続きの順番こそが、このプロジェクトのすべてです。

STEP
(退職前)iDeCo口座の金融機関を決める

まずは、iDeCoの移管先となる金融機関(証券会社)を決めます。

システムエンジニアである私の視点では、手数料が安く、商品ラインナップが豊富な「SBI証券」か「楽天証券」の2択です。(※iDeCo口座の比較は、別記事で徹底的に解説します)

STEP
(退職前)iDeCoの新規加入を申し込む

【最重要】ここが海外転出届より必ず先です!
STEP1で決めた証券会社にiDeCoの新規加入申込書を請求・提出します。

この時点では、あなたはまだ居住者なので、問題なく申し込めます。

金融機関によりますが、iDeCoの加入審査に2〜4週間ほどかかるため、早め早めに開設を強く推奨します。

Kea(ケア)

2022年10月の法改正で企業型確定拠出年金に加入している人も、iDeCoに申し込めるようになっています。退職前にiDeCoの口座を開設しておくことをオススメします。

参考:【2022年10月制度改正】企業型DCとiDeCoが併用可能に(楽天証券)

STEP
(退職後)確定拠出年金(企業型DC/401k)の移換書類を提出する

退職後、元の会社から企業型年金加入者資格喪失のお知らせといった書類が届きます。
その書類と、STEP2で申し込んだiDeCoの移換申出書を、新しいiDeCoの金融機関に提出します。

これで、あなたの401kの資産が、新しく作ったiDeCo口座へ安全に移管されます。

STEP
(渡航14日前)海外転出届を役所に提出する

iDeCoの加入手続きが始まった(または完了した)後で、初めて役所に行き、海外転出届を提出します。これであなたは非居住者になります。

【FAQ】確定拠出年金(401k/企業型DC)・iDeCoのよくある疑問

ワーホリ中(非居住者)、iDeCoの掛け金は払えますか?

はい、国民年金に任意加入すれば、拠出(積み立て)を継続できます。

iDeCoの加入資格は「国民年金の被保険者であること」に紐づいています。海外転出(非居住者)になっても、国民年金に任意加入さえしていれば、iDeCoの掛け金も継続して拠出(支払い)することが可能です。

【あなたの選択肢は2つです】

  • 国民年金を任意加入する人
    → iDeCoの掛け金も継続できる。(※ただし国民年金保険料の支払いも発生)
  • 国民年金を任意加入しない人
    → iDeCoの掛け金は停止となり、「運用指図者(すでにある資産を運用するだけの人)」になります。

確定拠出年金(401k/企業型DC)から移管した資産の運用だけはどちらのパターンでも可能です。自動移換(塩漬け)とは雲泥の差が出ますので、ワーホリ前に必ず移管しておきましょう。

私はすでにiDeCo口座を持っています。手続きは何をすれば良いですか?

あなたの手続きは非常に簡単です!

新規加入の必要がないため、ワーホリ(非居住者)の罠を気にする必要がありません。

退職後に、今使っているiDeCoの金融機関(SBIや楽天など)に連絡し、「会社を辞めたので、401kの資産をiDeCoに移管したい」と伝えるだけでOKです。必要な書類(移換申出書)を送ってもらいましょう。

参考リンク
SBI証券:企業年金の資産をiDeCoへ移す
楽天証券:企業型からの移換申込方法

6ヶ月の期限を過ぎてしまい自動移換されてしまったら、もう終わりですか?

終わりではありませんが、非常に面倒です。

国民年金基金連合会に「自動移換されています」と連絡し、そこからiDeCo口座(この場合は新規加入ではなく、自動移換者用の移管手続き)に資産を移し直す必要があります。

手数料も余計にかかるため、絶対に避けるべきです。

そもそも、iDeCoに移管せず「現金(一時金)」として引き出すことはできませんか?

残念ながら、ほぼ100%できません。

401kやiDeCoは、あくまで60歳以降に受け取るための年金資産です。途中で現金化(脱退一時金)するには、資産額が1.5万円以下などの非常に厳しい条件があり、会社員として数年間勤めてきた方は、まず該当しません。

このため、放置(自動移換)かiDeCoに移管の2択しかなく、だからこそiDeCo移管が唯一の正解となります。

参考資料:脱退一時金を受取れるケースとその手続き(労働金庫連合会)

ワーホリから帰国したら、iDeCoの掛け金(積み立て)は再開できますか?

はい、簡単な手続きで運用指図者から加入者に戻れます。

帰国して転入届を提出すると、国民年金の加入義務が再開します。
そのタイミングで、iDeCoの金融機関(SBIや楽天など)に連絡し、加入者(掛け金を払う人)に戻る手続きを行えば、すぐに積み立てを再開できます。

夫婦でワーホリに行きます。妻の確定拠出年金(401k/企業型DC)/iDeCoも同じ手続きが必要ですか?

はい、資産は個人単位です。全く同じ手続きがそれぞれ必要です。

  • 401k加入中 → iDeCo口座開設と移管が必要です。
  • iDeCo加入中 → iDeCo金融機関への非居住者(運用指図者)への変更届が必要です。

まとめ:確定拠出年金(401k/企業型DC)は退職前のiDeCo口座開設で罠を回避せよ!

30歳会社員のワーホリ退職で、最も危険な「401k放置」問題の攻略ログでした。

最後に、この記事を読んでくださった方へのToDoリストを共有します。

ToDoリスト

  • 退職2ヶ月前〜: iDeCoの移管先(SBI証券 or 楽天証券)を決める。
  • 退職1ヶ月前〜:iDeCoの新規加入を申し込む。( ※審査に2〜4週間かかるため最優先!)
  • 退職後書類が届き次第): 401kの移換書類をiDeCoの金融機関に提出する。
  • 渡航14日前 役所で海外転出届を提出する。

この順番さえ守れば、あなたの大切な年金資産をワーホリ中も安全に運用を続けることができますよ!

Kea(ケア)

万全の準備で、資産を守り抜きましょう!

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