「仕事を辞めて、3ヶ月くらいかけて日本一周したい!」
「車中泊なら宿泊費も浮くし、マンスリーレンタカーなら安く済むはず」
そんな風に考えていませんか?
私も最初は「レンタカーなら手軽だし、終わったら返すだけだから楽」だと思っていました。
しかし、付き合いのある車屋の方に相談したところ、
と全力で止められたのです。
結論から言うと、日本一周のような長距離・長期間の旅において、格安マンスリーレンタカーは「経済的に大損」になりかねないリスクが存在します。
この記事では、SEとしてリスク分析を行ってきた私が、車屋さんに聞いた「レンタカーの知られざる罠」と、逆に「なぜボロい中古車を買うのが最強の正解なのか」を、具体的な数字とシミュレーションで解説します。
- マンスリーレンタカーに潜む「80万円請求」のリスク回避法がわかる
- 日本一周における「レンタカー vs 中古車購入」のリアルな費用比較ができる
- 旅先で車が壊れた時の「最強の対処法(出口戦略)」がわかる
日本一周で格安マンスリーレンタカーを使うと起きる3つの致命的リスク
「1ヶ月3万円〜」といった格安レンタカーは、あくまで近場の通勤や買い物を想定して設計されています。
これを日本一周という「過酷な長距離移動」に転用すると、規約(約款)の壁に衝突します。
車屋さんが指摘してくれた、致命的なリスクは以下の3点です。
- 高額なNOCと汚損クリーニング費用
- 距離制限(150km)によるレッカー地獄
- 月間走行距離制限による追加課金
1. 保険でカバーできない汚損とNOC
日本一周では、3ヶ月間その車が「家」になります。
- 車内で食事をする。
- 車で寝泊まりする。
- 濡れた服や靴で乗ることもある。
このようなことが日常茶飯事でしょう。
ここで注意が必要なのが、レンタカー特有のNOC(ノン・オペレーション・チャージ)という制度です。
これは、事故や車内の汚損などで「車が営業に使えなくなった期間」の休業補償を指します。
- 自走可能な場合:20,000円
- 自走不可能な場合:50,000円
参考:保険・補償制度(トヨタレンタカー)
これだけなら「最悪、数万円払えば済む」と思えますが、本当の恐怖は青天井の「汚損請求」です。
Kea(ケア)通常の利用を超える汚れ(シートのシミ、タバコやペットの臭い、嘔吐など)は、保険適用の事故ではなく「善管注意義務違反」とみなされます。
NOCに加え、実費でのクリーニング費用(数万円〜)が請求されるリスクが非常に高いのです。
自分の車なら「あとで掃除すればいいや」で済みますが、レンタカーは返却時に「数万円の即金ペナルティ」として跳ね返ってきます。



保険によってはNOC免除もありますが、クリーニング代などのリスクまではカバーしてくれません。
善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)とは?
簡単に言うと「借り物だから、自分の車以上に大切に扱ってくださいね」というルールのことです。
以下はNG例:
- 飲みこぼし(シートにシミ)
- 焼肉などの強い臭いの発生
- 海水や潮での濡れ放置
これらは保険適用外で、特殊清掃費用が発生する可能性があります。


2. レッカー代70万円!?「返却義務」の恐怖
これが最も恐ろしいリスクです。
多くの格安レンタカーの約款には、故障や事故の際、「借りた店舗へ車両を返還しなければならない」という趣旨の条項が含まれています。
もし、東京で借りたレンタカーが、北海道の原野でエンジンブロー(故障)して動かなくなったらどうなるでしょうか?
シミュレーション:北海道で故障し東京までレッカーした場合
- 総距離:1,100km
- 無料範囲:150km
- 自己負担距離:950km
JAFの長距離レッカーの相場(1kmあたり約830円前後)で計算すると…
950km × 830円 = 788,500円
※単価は業者・地域で変動します。参考値はロードサービス内容(JAF)出典
約80万円の請求が来ます。
これで旅の資金は消滅し、借金生活が始まります。
大手レンタカー(トヨタ等)なら「最寄りの店舗で乗り捨て」が可能な場合もありますが、格安店はフランチャイズ経営が多いため、「必ず自分の店に返せ」というルールが適用されるケースが多いのです。



レッカー代は完全に盲点でした…。
車屋さんに指摘され、実際の額を伝えられたときは背筋が凍る思いがしました。
(補足)レッカー代がかかるのは、マイカーでも同じでは?
マイカーで自走できない場合
レッカーで運ぶ必要すらありません。
その場の解体屋に電話して「引き取りに来て(0円)」と言えば終了です。
所有権が自分にあるからこそできる現地処分という最強のカードが切れるのです。
3. 見落としがちな月間走行距離制限
3つ目の罠は、地味ですが確実に財布を削ります。
マンスリーレンタカーの多くは、車両の価値を守るために「月間走行距離制限」を設けています。
- 一般的な制限:月間3,000kmまで
- 超過料金:1kmあたり10円〜11円
日本一周の走行距離は、ルートにもよりますが約10,000km〜12,000kmと言われています。
3ヶ月で回る場合、月平均4,000km走ることになります。
【追加料金の試算】
- 月間走行:4,000km(制限3,000km)
- 超過分:1,000km × 3ヶ月 = 3,000km
- 追加料金:3,000km × 11円 = 33,000円
当初のレンタル料に加えて、返却時にいきなり3万円以上の請求が確定します。
「格安」で借りたつもりが、結局高くついてしまうのです。



実は、Webサイトに「走行距離無制限」と書いてある格安店に問い合わせてみました。
すると担当者から「現在は制限を設けるように規約を変更しました」という回答が…。



Webの情報が古いままの可能性もあるので、必ず電話での確認が必要です!
費用比較:レンタカー vs 中古車購入&売却


では、「借りる」のではなく「買って、売る」という選択肢はどうでしょうか?
ここでは、夫婦での日本一周を想定し、「ミニバンクラス(ヴォクシーやセレナ等)」での費用を比較します。
| 項目 | レンタカー(3ヶ月) | 中古車購入(実質) |
|---|---|---|
| レンタル料/購入費 | ¥180,000 | ¥350,000 |
| 保険・手数料 | ¥3,000 | ¥50,000 |
| 距離超過等 | ¥33,000 | ¥0 |
| 売却リセール | ¥0 | -¥100,000 |
| 合計(目安) | ¥216,000 | ¥300,000 |


3ヶ月レンタカーを借りた場合の総額
格安マンスリーレンタカーでミニバンを借りた場合の概算です。
- レンタル料(3ヶ月):約180,000円(月6万×3)
- 免責補償・NOC補償:約3,000円
- 距離超過料金:約33,000円
合計:約216,000円
これに加えて、前述した「汚損リスク」や「レッカーリスク(数十万円)」という見えない負債を抱えて走ることになります。



今回は車両の在庫がなく借りられませんでしたが、近所の走行距離無制限のレンタカー屋さんで見積もりを取ったところ、ミニバンクラスで3ヶ月約19万5,000円でした。



探せばこのくらいの価格で「距離無制限」のお店も見つかるかもしれませんが、人気が高く在庫確保が難しいのが現実です……。
中古車を買って売った場合の実質負担
こちらは、車屋さんが推奨していた「過走行(15万km〜)の中古ミニバンを買う」という戦略です。
トヨタのヴォクシーなどは耐久性が高く、15万kmを超えても海外輸出需要があるため、3ヶ月乗った後でも値段がつきやすいのが特徴です。
- 車両購入費(諸費用込):約350,000円
- 任意保険・税金等(3ヶ月分):約50,000円
- 売却益(リセール):-100,000円
実質負担額:約300,000円
金額だけで見ると、レンタカー(約20万円)より実質負担は10万円ほど高くなります。
しかし、決定的な違いは「リスクの有無」です。
購入車なら汚しても自分の物ですし、距離制限もありません。
さらに、DIYして自分の好みに近づけることもできます。
「+10万円で安心と自由を買う」と考えれば、決して高い差額ではないはずです。
もちろん、車屋さんの意見には販売上の観点も含まれる可能性があります。
とはいえ、ここで提示した試算とリスクは実務的に有効な観点です。



「えっ、15万kmの中古車なんて大丈夫?」と不安になりますよね。
でも、私たち夫婦がワーホリで行くニュージーランドの中古車事情を調べたら、走行距離15万km、20万kmはザラでした!



日本車は本当に頑丈です。
「日本では廃車寸前でも、世界では現役バリバリ」と思えば、意外と気にならなくなりますよ(笑)


中古車購入のリスクについて
過走行車に限らず、中古車の状態は「前のオーナーのメンテナンス次第」で大きく異なります。
「安く買う」以上、「いつか壊れるかもしれない」というリスクの許容は必要です。
だからこそ、次に解説する「壊れた時のための出口戦略(廃車・ロードサービス)」がセットで重要になります。
なぜ日本一周には「中古車を買って売る」が最適解なのか
私が中古車購入を強くおすすめする理由は、費用の安さ以上に「トラブル時の出口戦略(逃げ道)」が圧倒的に優れているからです。
最大のメリットは「乗り捨て(廃車)」ができること
先ほどの「北海道でエンジンが壊れた」シナリオを思い出してください。
- レンタカーの場合:
東京まで自腹でレッカー移動(約80万円)。
さらに修理代やNOCも請求される可能性があります。 - 購入車(自分の車)の場合:
その場の解体屋に電話して「廃車(スクラップ)」にします。
レッカー代は近隣なら無料、むしろ鉄くず代として1〜5万円もらえる可能性があります。



これが「所有権」を持つ最大の強みです。「直せないなら捨てる」という選択肢を持てることで、破産リスクをゼロにできるのです。



最悪の場合、車を捨てて新幹線で帰ればいい。
この身軽さは何物にも代えがたい安心感です!
「指定工場への搬送無制限」保険で完全防備
「でも、ボロい中古車だと故障が不安…」
その通りです。15万km超えの車はいつ止まるかわかりません。
そこで活用するのが、ダイレクト型自動車保険(チューリッヒなど)のロードサービスです。
多くの保険会社には「指定工場へのレッカー搬送なら距離無制限で無料」という特約があります。
これに加入しておけば、旅先で故障しても、保険会社が指定する修理工場までなら何百キロでも無料で運んでくれます。
さらに、「帰宅費用サポート」が付いているプランなら、車が壊れた後の新幹線代や宿泊費まで補償されます。
中古車日本一周の必勝パターン
- リセールのある過走行ミニバンを安く買う
- 「レッカー無制限」の任意保険に入る
- 壊れたらロードサービスで工場へ入れる
- 直らなければその場で廃車にして、補償で帰宅する
これが、車屋さんが教えてくれた最も賢いリスクヘッジです。
それでもレンタカーで日本一周したい場合の店舗選びの条件
「車の売買手続き(車庫証明や名義変更)がどうしても面倒くさい…」
「DIYとかしないし、綺麗な車がいい」
そんな方のために、格安レンタカーを利用しながら、最大のリスク(レッカー地獄)を回避するための「店舗選びの絶対条件」をまとめます。
以下の3つをクリアできる店であれば、格安店でも検討の余地があります。
1. 現地での契約終了(乗り捨て)が可能か交渉する
これが最も重要な分かれ道です。契約前の問い合わせで、必ず以下の質問を投げかけてください。
多くの店は「戻してください」と言いますが、中には「車両価値が低いので、その場で処分してもらえるなら戻さなくてOK」という柔軟な対応をしてくれる店舗も存在します。
この言質が取れる(かつ契約書やメール等で証拠を残せる)店なら、レッカー費用のリスクは消滅します。
2. JAFへの加入は「絶対条件」
格安店のロードサービスは範囲が狭いため、自分で守りを固める必要があります。
JAFに加入していれば、レンタカーでも以下のサービスが受けられます。
- 15kmまでの無料レッカー(店舗指定の工場まで運ぶのに十分な距離)
- バッテリー上がりやキー閉じ込みの無料対応
- 「異音・異臭」などトラブルの初期段階でのプロの判断



JAFは初年度6,000円(入会金2,000円+年会費4,000円)で加入できます。80万円のリスクを考えれば安い保険ですので、加入をおすすめします!
3.「走行距離超過料金」を含めて予算を組む
格安店を選ぶ以上、距離制限(月3,000kmなど)の超過は避けられない可能性が高いです。
しかし、これを「隠れたコスト」ではなく「必要経費」として最初から計算に入れておけば怖くありません。
- レンタル料(3ヶ月):約18万円
- 超過料金(3,000km分):約3万3,000円
- 合計:約213,000円
これでも大手(50万円〜)を借りるよりは圧倒的に安く済みます。
「追加料金がかかる!」と焦るのではなく、「追加料金を払ってでも格安店の方が安い」と割り切れるなら、格安レンタカーは有力な選択肢になります。
よくある質問
- 中古車の購入手続きにはどれくらい時間がかかりますか?
-
スムーズにいけば2週間程度で納車可能です。
最も時間がかかるのは、警察署で取得する「車庫証明(約3日〜1週間)」です。
出発日が決まっている場合は、余裕を持って車屋さんに行きましょう。
住民票のある地域での申請が必要になるため、旅の途中での購入は難しい点に注意してください。
Kea(ケア)

車屋さんに、早めに言っておくと条件が良い車を探してきてくれますよ。
- 買って損しない(リセールが良い)おすすめの車種は?
-
ズバリ、「トヨタのミニバン(ノア・ヴォクシー)」か「軽バン(エブリイ・ハイゼット)」です。
これらは海外輸出や配送業での需要が非常に高く、走行距離が10万kmを超えていても値段がつきやすい(=売却時に高く売れる)傾向にあります。
逆に、不人気色のセダンなどは売却時に0円になる可能性があるので注意が必要です。
- 3ヶ月だけの利用でも任意保険に入れますか?
-
可能です。通常は1年契約を結びますが、途中で解約(中途更改)することができます。
解約すれば、残りの期間分の保険料は返金されます(※短期料率により満額ではない場合があります)。
重要なのは契約期間よりも、「レッカー搬送距離が無制限かどうか」です。
ここだけは妥協せずに選んでください。 - レンタカーで全損(廃車)になった方が、レッカー代がかからず得なのでは?
-
残念ながら、それが「最悪のシナリオ」です。
その理由は3つあります。
- 故障に保険は使えない
文中で例に挙げた「エンジンブロー」は事故ではなく故障です。通常のレンタカー保険は適用されず、原因があなたにあると判断されれば車両代の全額弁償(数十万円〜)が発生します。 - 事故での全損でも「運ぶ費用」はかかる
事故で全損した場合、車両代は保険で降りますが、鉄くずになった車を処分場まで運ぶレッカー代は別途請求されるリスクが高いです。
もちろん、距離制限(150kmなど)を超えれば自腹です。 - NOCが最高額になる
自走不可になるため、休業補償(NOC)は無条件で5万円になります。
さらに免責額(5万〜10万円)も加算されるため、手出し0円で済むことはまずありません。
結論: レンタカーにおける「全損」は、免責+NOC+レッカー超過分で最低でも15万円〜の出費確定コースです。
- 故障に保険は使えない
まとめ:リスクを知って賢く車を選ぼう
日本一周は一生の思い出になる素晴らしい体験ですが、車の選択を間違えると「借金」という最悪のお土産を持ち帰ることになります。
- 格安レンタカーは「距離制限」と「返却義務」により、長距離旅では破産リスクがある。
- 汚損リスクを考えると、生活空間となる車は「自分の物」の方が精神的に楽。
- 中古車購入なら、最悪の場合「廃車」にして逃げることができる。
- 保険選び(レッカー無制限)を間違えなければ、ボロ車でも怖くない。


私たち夫婦は、当初は格安マンスリーで日本一周を想定していましたが、今回の記事で紹介した車屋さんからのアドバイスもあって、以下の結論に至りました。
もちろん、レッカー代などのリスクを許容しても良いという人は、格安マンスリーなどが最強の選択肢になり得ます。ぜひ、あなたの旅のスタイルとリスク許容度に合わせて、最適な「相棒」を選んでくださいね。



良い旅を!応援しています!

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