「車中泊をしてみたいけれど、電気はどう確保すればいいの?」
「ポータブル電源の種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない…」
車中泊の電源問題は、「ポータブル電源選び」で9割が決まります。
かつては配線工事が必要だった電源確保も、今はポータブル電源一つで解決する時代になりました。
しかし、だからと言って、
カタログの数値を鵜呑みにすると、
- 暖房が朝まで持たない
- 充電に時間がかかりすぎて連泊できない
といった失敗に直結します。
この記事では、現在NZワーホリに向けて準備中の私(Kea)が、SEとしての分析視点と実際の準備経験をもとに、「後悔しない電源システムの選び方」を解説します。
- カタログ値と「実際に使える電気量」の計算方法
- なぜ今、電池は「リン酸鉄リチウム」一択なのか
- 冬のソーラーパネルが発電しない「不都合な真実」
- 私たち夫婦があえて「小容量モデル」を選んだ理由
- 購入前に絶対確認すべき「捨て方」の問題
はじめに:カタログ数値だけ信じると失敗する?
車中泊において、電気は単なる「快適装備」ではありません。
スマホの充電による通信手段の確保、冬場の寒さ対策、そして災害時の備えとして、まさにライフラインそのものです。
しかし、多くの人がスペック表の数字だけを見て購入し、実際の運用で困ってしまうケースが後を絶ちません。
「400Whの容量があるから、100Wの家電が4時間使えるはず」
もしそう思っていたら要注意です。
実際には3時間ちょっとしか使えない可能性が高いからです。
リアルな運用視点を持つことが大切
この記事では、
メーカーのカタログには小さくしか書かれていない
「変換ロス」や「温度による性能低下」といった落とし穴を解説します。
さらに、最新の充電トレンドも含めて、
実際に使って困らない「リアルな運用視点」に焦点を当てます。
Kea(ケア)実は私も最初は「モバイルバッテリーを何個か持っていけばいいか」と安易に考えていました。
しかし、シガーソケットだけでは充電が追いつかないし、車内にリチウムイオン電池を放置する怖さもあって、ちゃんとした電源を確保することにしました。
【基礎知識】選び方の前に知っておくべき「3つの単位」と「電池の種類」
まずは、失敗しないために最低限知っておくべき「単位」と「電池の素材」について解説します。
ここを飛ばすと、高い買い物をした後に後悔することになります。
Wh(容量)とW(出力)と変換ロス
ポータブル電源の性能表には、必ず以下の単位が出てきます。これらは「水」に例えると分かりやすいです。
- Wh(ワットアワー):
「タンクの大きさ」。この数値が大きいほど、長時間電気を使えます。 - W(ワット):
「蛇口の太さ(馬力)」。ドライヤーのような強いパワーが必要な家電を動かせるかは、この数値で決まります。
「mAh」の巨大な数字に騙されないで!
Amazonなどの商品ページで「50,000mAh!」といった桁違いの数字を見て、「これはすごい大容量だ!」と即決しようとしていませんか?
実はこれ、少し注意が必要です。
- mAh(ミリアンペアアワー): モバイルバッテリーでよく見る単位。
- なぜ数字が大きい?: 電池そのものの「低い電圧」で計算しているため、桁数が多く見えているだけです。
ポータブル電源の実力(家電がどれくらい使えるか)を比較する時は、



「mAhの数字が大きい=優秀」とは限らないので、必ずWhを確認する癖をつけましょう。
重要な「変換効率」という見えない壁
バッテリーに貯めた電気(DC)をコンセントの電気(AC)に変換する際、熱などでエネルギーの一部が失われます。一般的に、この変換効率は約80%と言われています。
実効容量の計算式
カタログ容量(Wh) × 0.8 = 実際に使える電気量
例えば、400Whのポータブル電源を買っても、実際に使えるのは320Wh程度。
100Wの家電なら、理論上の4時間ではなく、約3.2時間で電池切れになります。
この「2割のロス」を計算に入れておかないと、真冬の夜中に電気毛布が切れるという事態になりかねません。
なぜ「リン酸鉄リチウムイオン」一択なのか
これからポータブル電源を買うなら、電池の種類はリン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)を選んでください。
以前主流だった「三元系」とは、性能が劇的に異なります。
| 特徴 | 三元系(従来型) | リン酸鉄リチウム(新型) |
| 寿命(サイクル数) | 500〜800回 | 3,000〜4,000回 |
| 寿命年数(毎日使用) | 2〜3年 | 約10年 |
| 安全性 | 衝撃等で発火リスクあり | 熱安定性が高く安全 |
価格差も縮まってきており、今あえて寿命の短い三元系を選ぶメリットはほぼありません。
特に車中泊では、車内という密室に巨大な電池を置くわけですから、発火リスクが極めて低いリン酸鉄リチウムは精神的な安心材料になります。



私たちが選んだのも、もちろんリン酸鉄タイプです。「もしもの時に燃えたら…」と心配しながら寝るのは嫌ですからね。


【容量選定】車中泊に最適なのは「1000Wh〜1500Wh」である理由
「大は小を兼ねる」と言いますが、ポータブル電源に関しては重さや価格も跳ね上がるため、自分に合ったサイズ選びが重要です。
一般的な正解は「1000Wh」クラス
車中泊を快適に過ごすための「標準解」は、
「車中泊 ポータブル電源 容量」で検索すると、ほぼ必ず挙がる
1000Wh〜1500Whクラスです。
- 1000W以上の高出力: ドライヤーや電気ケトル、IH調理器が使える。
- 十分な容量: 夜間に電気毛布(約50W)を使っても、朝まで余裕で持つ。
これ一台あれば、家とほぼ変わらない電化製品を使った生活が可能です。



半年から1年という長期間の日本一周旅やキャンプが趣味という方におすすめです!
【体験談】私たちが、あえて「小容量(200Wh)」を選んだ理由
ポータブル電源といえば「大容量こそ正義」と思われがちです。
しかし、「レンタカー旅 × ノマド作業」という前提条件のもとで、
私たち夫婦はあえて150Wh〜200Whクラスの超コンパクトモデルを選びました。
「えっ、そんなに小さくて大丈夫?」
そう思われるかもしれませんが、これには私たちなりの明確な戦略があります。
私たちが小容量を選んだ3つの理由
- レンタカー旅だから、荷物は減らしたい
- 限られた車内スペースを巨大なバッテリーで圧迫したくありません。「リュックに入る(約2kg)」という機動力を最優先しました。
- 「熱」はガスに任せる
- もっとも電力を消費する「お湯沸かし」や「調理」は、カセットコンロ(ガス)に任せます。電気で熱を作るのは効率が悪いので、そこは潔く役割分担しました。
- 電力は「仕事道具」に集中させる
- 私たちはSE(システムエンジニア)。最優先事項は「PCとスマホが動くこと」です。ドライヤーや電気毛布を使わないなら、小容量で十分なのです。


本当に足りる?計算してみた
実際にシミュレーションもしました。
- バッテリー容量: 150Wh
- 実効容量(×0.8): 120Wh
この 120Wh で何ができるかというと…
- MacBook Air(約50Wh): 1回フル充電
- 夫婦のiPhone(約10Wh×2): 2回ずつフル充電
これでちょうど使い切る計算です。
「足りなくなったら走行充電で回復」「カフェで仕事する」という柔軟なスタイルなら、巨大な電源を持ち運ぶより、このサイズ感が私たちの旅(春〜初夏)には最適解でした。



旅のスタイルに合わせて、ポータブル電源の容量は検討してください!
▼私たちが実際に購入し、ワーホリに持っていくモデルはこちらです▼
【ソーラーパネル】「冬は発電しない」という不都合な真実
「屋根にソーラーパネルを載せれば、電気は使い放題!」
そう夢見がちですが、現実はもう少しシビアです。
特に知っておくべきは、
カタログ値の半分以下になることも
調査データによると、100Wのソーラーパネルを使用しても、条件次第で発電量は大きく落ち込みます。
- 夏場の晴天: 70W〜80W前後
- 冬場の晴天: 40W〜60W程度
冬は太陽の位置が低く、空気の層を長く通るため、どうしてもパワーが落ちます。
もし一晩で500Wh使った場合、冬の発電量(平均50W)で満充電にするには10時間の日照が必要です。日が短い冬にこれを達成するのは、ほぼ不可能です。
ソーラーは「あくまで補助」と考える
「オーバーパネル(必要量より大きなパネルを積む)」という対策もありますが、天候に左右される点は変わりません。
ソーラーパネルは「あれば嬉しいけれど、頼りきりは危険」という位置付けですね。
天気が悪いだけで電気がなくなるストレスは避けたいところです。



次の章で、ソーラー充電よりも良い充電の新常識をご紹介します!
【新常識】ソーラーより確実?「急速走行充電」の技術革新
今、車中泊の電源事情を劇的に変えつつあるのが「急速走行充電(オルタネーターチャージャー)」の技術革新です。
これまで「移動中の充電」といえばシガーソケット(最大100W程度)が限界で、大容量バッテリーを満たすには10時間以上走り続ける必要がありました。
しかし現在は、車の発電機(オルタネーター)から直接、急速充電できる機種が登場しています。
- EcoFlow:最大800W充電
- Jackery:最大600W充電(専用充電器使用)
「コンセント探し」と「天気待ち」からの解放
この技術の凄いところは、「次の観光地へ移動している1〜2時間」で、電気が勝手に満タンになることです。
- ソーラーのように、天候を気にする必要がない。
- カフェやRVパークで、コンセントを探し回る必要がない。
- 重い電源を車から降ろして、充電のために持ち運ぶ手間がない。
つまり、この技術革新の本質は「ポータブル電源の運用ハードルを極限まで下げること」にあります。
「電源は欲しいけど、充電の手間が面倒くさそう…」と敬遠していた人にとって、走行充電システムに対応したポータブル電源は、まさに最強のソリューションと言えるでしょう。
※急速充電には専用の配線工事が必要な場合が多く、レンタカー派の私たちには難しいですが、マイカーを改造できる方にとっては旅の自由度を劇的に上げる選択肢です。



導入コストはかかりますが、機種によっては車のバッテリーへの逆充電も可能です。
万が一のバッテリー上がりにも対応できるため、特に冬場や長期旅をする方にとっては、保険代わりの初期投資として強くおすすめできます。
【最重要】買う前に確認すべき「廃棄・リサイクル」の問題
最後に、購入ボタンを押す前に必ず確認してほしいことがあります。
それは、
です。
ポータブル電源は「燃えないゴミ」ではない?
意外かもしれませんが、ポータブル電源はほとんどの自治体でゴミとして回収してくれません。
巨大なリチウムイオン電池は、ゴミ収集車の中で圧縮されると発火する危険があるため、多くの地域で「処理困難物」に指定されているからです。
また、家電量販店にある回収ボックス(JBRC)も、小型のモバイルバッテリーはOKでも、大型のポータブル電源は対象外のケースが大半です。
「安かったから」という理由で無名メーカーの製品を買うと、いざ捨てようとした時に「回収不可」「連絡がつかない」となり、処分に高額な費用がかかるトラブルも起きています。
一部の自治体では回収している場合もありますが、非常に稀です。
必ず購入前にお住まいの地域のルールを確認してください。
結論:回収サービスがあるメーカーを選ぶ
一番の安全策は、「自社製品の回収サービス」を行っているメーカーを選ぶことです。
- Anker / EcoFlow / Jackery / TogoPower: 公式サイト等で回収受付あり(郵送対応など)
- その他のメーカー: 購入前に公式サイトに「廃棄方法」の記載があるか必ずチェック
私たちも、将来の「捨てられない不安」をなくすために、回収ルートが確立されているTogoPowerを選びました。
まとめ:自分に合った電源システムで快適な車中泊を
車中泊の電源選びは、単なるスペック比較ではなく、自分の旅のスタイルに合わせることが重要です。
今回の記事のポイント
- カタログ値の8割が実効容量と考える。
- 電池は寿命と安全性を考慮しリン酸鉄リチウムを選ぶ。
- 標準は1000Whだが、用途を絞れば小容量でもいける。
- 冬のソーラーは過信せず、走行充電との併用を考える。
- 捨て方まで考えてメーカーを選ぶ。
まずは、「自分が車内で何を使いたいか」を書き出して、必要な消費電力(Wh)を計算してみることから始めてみませんか?
電源の不安がなくなれば、車中泊の旅はもっと自由で快適なものになりますよ!



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