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「ワーホリに行きたいけど、せっかく育てたNISAはどうなるの?」
「住民票を残したり、1年以内に帰れば継続できるって聞いたけど本当?」
渡航前、私もこの問題に直面し、徹底的にリサーチしました。
今回は、SE兼採用担当としてリサーチした損をしない最適解を、分かりやすく解説します。
【結論】ワーホリ中のNISAの最適解
ワーホリでのNISAの扱いは、次の3パターンのいずれかに分かれます。
▼ NISAの扱いを状況別に整理した比較表(まずはここで全体像が分かります)
| パターン | 居住区分 (法的ステータス) | NISAの扱い (制度上) | 維持コスト (年金・税・保険) | 総合判定 |
|---|---|---|---|---|
| A. 1年以上のワーホリ (王道) | 非居住者 | × 継続不可 (売却 or 移管必須) | ◎ コスト削減 (転出届で支払い停止) | 推奨 一番手元にお金が残る |
| B. 短期留学・短期ワーホリ (最初から数ヶ月の予定) | 居住者 | ○ 継続OK | △ 支払い継続 (期間が短いので許容範囲) | OK 目的通りなら問題なし |
| C. NISAのために帰国を早める (1年行けるがあえて短縮) | 居住者 | ○ 継続OK | × 大赤字 (節税額 < 維持コスト) | 非推奨 年金、保険の支払いで赤字の可能性大 |
「住民票を残せばバレない?」という考えは違法リスクと、年金・保険料などの高額コストを合わせると、最も割に合わない選択肢です。(後ほど詳しく解説します)



留学やワーホリで長期間海外に行く人は、NISA口座に関しては一度解約(または移管)しないといけないというのが、基本の認識で間違いありません。(実際に、私の周りのワーホリ経験者でも、これが常識となっているようです。)
なぜワーホリ中にNISAは継続できないのか?
これには、日本の税法上の明確なルールが存在します。
出国日に決まる1年ルール
NISAなどの非課税制度を利用できるのは、日本国内に住む「居住者」のみです。
では、いつから「非居住者(利用不可)」になるのでしょうか?
判定基準はシンプルで、出国時点の予定で判断されます(実際に何ヶ月滞在したかではなく、出国前の計画で決まる点に注意)。
「ビザの期間」=「滞在期間」ではない?
ポイントはビザ期間ではなく、実際の滞在予定(客観的な証拠)で判定される点です。
- パターンA:王道のワーホリ(1年滞在)
- 判定:「1年以上の滞在予定」とみなされます。
- 結果:出国日から非居住者となり、NISA資格を喪失します。
- パターンB:短期決戦のワーホリ(半年で帰国など)
- 判定:半年後の帰国用航空券などを持っていれば、滞在は1年未満と証明できます。
- 結果:居住者のステータスが維持され、NISAを継続できます。
「居住者」でいることの代償
「居住者として認められれば、NISAを解約しなくて済む!」
これは一見メリットに見えますが、エンジニア視点で損益計算をすると、実は大きな落とし穴があります。
居住者であるということは、日本の社会保険料を支払い続ける義務があるということです。
もしパターンB(半年帰国)を選んでNISAを守った場合、あなたは日本にいなくても以下のコストを負担し続けなければなりません。
国民年金・国民健康保険・住民税
次章で詳しく解説しますが、このコストはNISAの節税メリットを遥かに上回る「大赤字」になるケースがほとんどです。
「5年間の継続特例」はワーホリには使えない
「海外赴任なら5年はNISAを維持できる」という特例を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、これは主に「会社の命令(転勤)」などが対象です。多くの証券会社では、ワーホリや留学などの自己都合による出国はこの特例の対象外としています。
特に、SBI証券では以下のように明記されていますので、確認しておきましょう。
証券総合口座、NISA口座※1、特定口座※2
- 出国理由が海外転勤によるもの、または海外転勤される方に帯同する配偶者である場合に限ります。なお、制度上、自己都合による留学により出国する場合や自主的なボランティア活動を目的として出国する場合等には、適用することができません。
また、国外転出時課税制度の対象となる場合も適用できません参考:海外出国時(非居住者)の手続きについて(SBI証券)



「不公平だ!」と思いましたが、ルールはルール。
これを知らずに出国してしまうと、後で強制解約などのトラブルになるので要注意です。
抜け道の検証:住民票を残す・1年未満にする・親の扶養に入る
多くの人が考える「3つの抜け道」について、SE的視点でコスト計算(損益分岐点の分析)を行いました。
パターンA:住民票を残す(隠れ非居住者)
海外転出届を出さずに住民票を残せば、書類上は「居住者」に見えます。
しかし、これはリスクの高い選択肢です。
- 法的リスク: 実態が海外にあるのに日本に住んでいるとするのは「虚偽の届出」のリスクがあります。
マイナンバー等で捕捉され、バレれば口座凍結です。 - コスト過多: 住民票がある限り、国民年金・国民健康保険・住民税の支払い義務が続きます。


パターンB:滞在を1年未満にする
こちらは合法的です。
「1年未満の滞在(旅行・短期留学扱い)」であれば、原則として「居住者」のままNISAを維持できます 。
「じゃあ11ヶ月で帰国すればいいじゃん!」と思うかもしれませんが、ここには数字の落とし穴が存在します。
【SEのコスト試算】NISAを守るための代償
NISAを維持するために居住者であり続けると、日本に住んでいなくても社会保険料がかかります。
▼ NISAを守るために居住者でい続けた場合の年間コスト
| 項目 | 概算コスト(年額) | 備考 |
| 国民年金 | 約20万円 | 支払い義務あり |
| 国民健康保険 | 約5〜40万円 | 前年度所得による |
| 住民税 | 約20〜30万円 | 前年度所得による |
| 合計 | 約45〜90万円 | 大赤字 |
一方で、NISAの節税メリットは?
通常、投資で増えた利益には約20%の税金がかかります。
例えば、100万円の運用益が5万円なら、通常は約1万円が課税されます。
NISAを使えばこの1万円を払わずに済む(=節税になる)わけですが…
「1万円の節税のために、45万円以上のコストを払う」。
経済合理性がないことは明らかです。
ここで、こんな疑問を持つ方もいるかもしれません。



でも、仕事を辞めて親の扶養に入れば、健康保険料は払わなくていいですよね? それならお得になるのでは?



鋭い視点です!
たしかに保険料を回避できれば、話は変わってきそうですよね。
その「第3の抜け道」についても、次でじっくり検証してみましょう。
パターンC:親の扶養に入る
「仕事を辞めて親の扶養に入れば、健康保険料はタダになるから、それならNISAを維持してもお得では?」
そう考える方もいるかもしれません。
確かに、扶養に入れば国民健康保険料の支払いはなくなります(または大幅に減ります)。
しかし、結論としては以下の通りです。
結論:
親の扶養に入って保険料が下がっても、①国民年金と②住民税は残るため、NISAの節税額では絶対に取り返せないのが結論です。
1. 国民年金の支払い義務は消えない
親の扶養(被扶養者)になれるのは、主に健康保険の話です。
20歳以上60歳未満であれば、学生や配偶者(第3号被保険者)でない限り、親の扶養に入っていても国民年金の支払い義務は継続します。
- コスト: 年間 約20万円(月額約1.7万円)
※例外:配偶者が日本に残る場合
もし配偶者が日本で会社員をしており、ワーホリには単身で行き配偶者の扶養(第3号被保険者)に入るなら、年金と保険料はゼロになります。
しかし、次に解説する「住民税」の壁だけは、扶養に入っても消えません。
※補足:国民年金の任意加入について
「将来のために、海外転出しても国民年金は払い続ける(任意加入する)」という予定の方は、年金コストは計算から除外してOKです。
その場合でも、やはり住民税(数十万円)という無駄なコストが残る点に変わりはありません。
2. 住民税の時間差攻撃
これが最大の盲点です。
住民税は前年の所得に対して課税されます。
直前までSEとして働き、ある程度の年収(例えば400〜500万円)があった場合、退職して無職になろうが、親の扶養に入ろうが、翌年の住民税(退職した翌年の6月から請求が来る分)は1円も安くなりません。
この「住民税」こそが、NISA維持を阻む最大のラスボスです。
- コスト:年間 約20〜30万円(前年収による)


【再計算】扶養に入った場合の損益表
では、扶養に入った「節約モード」で再計算してみましょう。
ここでは親の扶養(第1号被保険者)に入ったケースを想定します。
| 項目 | 住民票あり(親の扶養Ver.) | 備考 |
| 国民健康保険 | 0円 | 親の扶養でカバー |
| 国民年金 | 約20万円 | 支払い義務あり ※1 |
| 住民税 | 約20〜30万円 | 前年の稼ぎに対する税金 ※2 |
| 維持コスト合計 | 約40〜50万円 | |
| NISAの節税額 | 約1万円 | (仮)年5万円の利益に対する非課税分 |
| 最終損益 | 数十万円の赤字 |
※1 年金についての補足
- 配偶者の扶養(第3号)の場合: 年金保険料は0円になります。
- 任意加入の予定だった場合: 「どうせ払うつもりだった」ならコスト差はありません。
- ただし、いずれの場合も下記の「住民税」の壁は残ります。
※2 住民税についての補足
前年度に一定の収入がある限り、誰の扶養に入ろうとも支払いは回避できません。
【結論】
仮に「配偶者扶養」などで年金・保険料を0円にできたとしても、住民税(約20〜30万円)がかかる時点で、NISAの節税メリット(数万円)を上回り、トータルでは損をする(赤字になる)可能性が極めて高いです。



対象読者は、会社を辞めてワーホリに行く人なので少ないとは思いますが、もしも前年度に収入がない or 極小の場合は、住民税のコストも気にしなくても良いかもしれません。
3つの抜け道のまとめ
これまで検証した「3つの抜け道」の損益分岐点を、改めて表にまとめました。
▼ NISA維持のための「抜け道」評価マトリクス
| パターン | 合法性 | 経済合理性 (コスト対効果) | 総合判定 |
|---|---|---|---|
| A:住民票残し (隠れ非居住者) | × 違法 | × 大赤字 (年金+保険+税) | × 論外 |
| B:1年未満滞在 (短期決戦) | ○ 合法 | △ 赤字 (年金+税 > 節税額) | △ 非推奨 |
| C:扶養に入る (親・配偶者) | ○ 合法 | △ 赤字 (税 > 節税額) | △ 状況次第では検討の価値あり |
結論:どのルートも「住民税」で詰む
ご覧の通り、どのルートを選んでも住民税(ラスボス)の壁だけは突破できません。
私たちのように直前まで働いていた会社員には、海外転出届を出して1月1日時点で非居住者にならない限り、前年の所得に応じた住民税の支払い義務(約20〜30万円)が必ず発生します。
「数万円のNISA節税メリット」を守るために、「数十万円の住民税」を払って住民票を残す。
これは、論理的に考えて行くと経済的合理性のない結論となります。
小手先のテクニックに頼らず、「海外転出届を出して(住民税を止めて)、NISAはルール通りに処理する」のが、最も手元にお金を残せる最適解となります。
「それでも、売りたくない!」人のための第2の最適解
「頭では理解できるんだけど…」
「積立NISAって長期保有の複利効果がメリットなんだから、崩したくないよ」
ここまで読んで、そう感じた方も多いのではないでしょうか?
おっしゃる通り、投資の鉄則は
- 長期
- 積立
- 分散
売却(現金化)は、その鉄則に反する行為のように思えてしまいますよね。
特に、今、含み損が出ている(暴落中)というタイミングであれば、なおさら損切りしたくないはずです。
そんなあなたには、コスト(手間)はかかりますが、資産を市場に残し続ける課税口座への移管(塩漬け戦略)という選択肢があります。
1. 複利の力は死なない
よくある誤解ですが、「NISAじゃなくなると複利効果が消える」わけではありません。 NISAから課税口座(特定口座)に移っても、運用自体は続きます。
- NISA: 利益まるまる自分のもの(非課税)
- 課税口座: 利益の約20%が税金、残りの80%は自分のもの(課税)
たしかに税金分は引かれますが、「市場に居続けること」による複利効果は継続します
現金化してインフレに負けるより、課税されても運用し続ける方が、長期的にはプラスになる可能性が高いです!
2. 帰国後に新NISAへ戻せばいい
これが最大の希望です。
新NISAの生涯投資枠(1,800万円)は、商品を売却すれば翌年以降に枠が復活します。
つまり、以下のような資産の引越し作戦が可能です。
- 出国時: NISAから課税口座へ移す(非課税は一旦終了)。
- 帰国後: 課税口座の商品を売却し、その資金で新NISAを買い直す。
こうすれば、一時的に税金はかかりますが、最終的には再びNISAの枠内に資産を戻すことができます。



実は私も、含み益が大きく出ている銘柄は売却しましたが、「今売ると微妙だな」という銘柄や「超長期で持ちたい米国株」の一部は、売らずに課税口座へ移管しました。
帰国後の手続き(再開)は少し面倒ですが、「市場から退場しない」ことを優先するのも立派な戦略です。
渡航前に取るべき「現実的な3つの選択肢」
ここまで解説してきた通り、「1年未満帰国」や「住民票残し」が割に合わない以上、以下の3つが現実的な選択肢となります。
選択肢1:全売却(現金化)
保有商品をすべて売却する方法です。
最もシンプルで、現地の生活資金に充てたり、為替リスクを確定させたりできます。



これは決して「資産を失う」ことではありません。
金融資産を経験資産に換えるという積極的な投資判断です。
年率5%の株を持つよりも、「ワーホリでの経験を帰国後の年収アップ(人的資本の向上)に繋げる」という覚悟がある方には、最も理にかなった選択肢です。
選択肢2:課税口座へ移管(塩漬け)
NISA口座から「課税口座(特定口座)」へ移す方法です。
NISAのメリットは消えますが、商品は持ち続けられます。
選択肢3:5年以内の特例利用(※ワーホリは対象外の壁)
前述の通り、この特例は本来「海外赴任(駐在)」などのやむを得ない事情がある人が対象です。
ワーホリや留学は「自己都合」とみなされ、SBI証券など多くの会社で適用対象外(NG)と規定されています。
- 期待値:ダメモトで確認するのはタダです。ただ、期待値は低めに見積もっておきましょう。
- 注意点:仮に認められたとしても、できるのは「保有(放置)」のみ。新規買付(積立の継続)は一切できません。



これは、いわば資産が「凍結(フリーズ)」された状態です。
「暴落したから買い増したい!」と思っても追加投資ができません。自由度が低い運用になる点は覚悟が必要です。
【証券会社別】手続き期限と対応(SBI・楽天の場合)
最後に、多くの人が利用している主要ネット証券(SBI証券・楽天証券)の対応状況です。
両社とも、手続きをすれば「口座(特定口座等)を維持したまま出国可能」ですが、期限には厳重な注意が必要です。
SBI証券・楽天証券の非居住者への対応
- 口座維持: 可能(手続き必須)
- NISA口座: 廃止(継続不可)
- 取引制限: 原則として「売却」のみ可能となり、新規買付はできなくなります。
【重要】SBI証券の「期限の壁」
特にSBI証券は期限が厳格で、「出国の前営業日」までに書類が必着(手続き完了)していなければなりません。
郵送のやり取りだけで2週間程度かかることもあるため、出国直前に気づくと手遅れになります。
参照:
海外出国時(非居住者)の手続きについて – SBI証券
海外出国(非居住者)のお手続き – 楽天証券
※補足:その他の証券会社を利用している場合
一部の証券会社では「非居住者の継続保有」自体を認めておらず、全解約(口座閉鎖)を求めている場合があります。
その場合は、出国前に全売却するか他社へ移管するかの対応が必須となります。
まずは「証券会社名 海外転出」で検索し、公式サイトの海外転出の規定を確認してください。
まとめ:制度の抜け穴を探すよりワーホリでの経験を
最後に、この記事の結論を「3つのポイント」にまとめます。
住民票を残す、1年未満で帰国するといった裏ワザは、NISAの節税メリット(数万円)以上に、「住民税・年金・保険料(数十万円)」の維持コストがかかるため、経済合理性のない大赤字になる可能性が高い。
- 手軽さ・現地資金重視: 全売却して、ワーホリ資金や自己投資に充てる。
- 運用・複利効果重視: 課税口座に移して塩漬けし、帰国後に新NISAで買い直す。
どちらを選んでも、帰国後に新NISA枠(1,800万円)は復活するので安心してください。
特にSBI証券は「出国の前営業日までに書類必着」など、期限が非常にシビアです。
「知らなかった」で資産が凍結されないよう、今すぐ公式サイトで資料請求をしてください。
NISAはあくまで手段です。
今は小手先の節税に固執するよりも、海外での経験という「人的資本への投資」に集中するのが良いのではないでしょうか!





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